親子のかかわり

中学生の「なんで勉強するの?」への最適解!勉強嫌いな子のやる気を引き出すかかわり方

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勉強嫌いな子のやる気を引き出すかかわり方

「中学生になってから、子どもが全然勉強しなくなった…」
「『勉強しなさい!』と言うと、『なんで勉強しなきゃいけないの?』と言い返されて言葉に詰まる」 
そんな悩みを抱えていませんか?スマホや部活ばかりで、テストの点数が悪くても平気な顔をしている中学生。親としてはついイライラしてしまいますよね。 

勉強嫌いな子に対しては、「勉強しなさい」と強く言うよりも、子どもが勉強を嫌がる理由を知り、気持ちを受け止めながら小さな行動につなげる声かけが大切です。

今回は、親代表の「エブリ」、中学生代表の「ポココ」、そして教育心理学に詳しい「ドスター博士」の3人の会話を通して、勉強嫌いな中学生の本音と、科学的に正しい「やる気の引き出し方」を探っていきましょう! 

なぜ中学生は「勉強嫌い」になるの?「やる意味」が見えない子どもたち

ねえドスター博士、うちのポココ、もう中学生になるんだけど本当に勉強嫌いでさ。スマホばっかり見てるから『テスト前だし、少しは勉強したら?』って言うと、『将来役に立たないし、やる意味ない』って言うんだ。塾に通わせるべきか、タブレット教材でもやらせるべきか悩んでるんだけど…どう伝えればいいのかわからなくて…。

だって本当のことじゃん。大人になってから、方程式とか歴史の年号なんて使わないでしょ?なんであんなつまんないこと、無理やりやらなきゃいけないの?

ふむふむ。エブリ、ポココが『勉強嫌い』になっているのは、怠けているからじゃないよ。ポココは今、『勉強する理由』が迷子になっている状態なんだ。

理由が迷子…?

そう。ここでモチベーション(動機づけ)に関する有名な理論を紹介しよう。アメリカの心理学者、ジャクリン・エクルズ(J. Eccles)らが提唱した『期待価値理論(Expectancy-Value Theory)』というものだ

きたい…かち…?

「期待価値理論」とは、人が行動を起こすモチベーションは、『自分にもできそうか(期待)』と、『それをやる意味があるか(価値)』の掛け算で決まるという理論です。さらに、この『価値』の中には『利用価値(将来の目標や自分のキャリアの役に立つか)』という大事な要素があります。

つまり、子どもは「できそう」と思えること、そして「自分にとって意味がある」と感じられることに、やる気を持ちやすいという考え方だよ。

あー、それ!今の勉強が将来、何の役に立つのか全然わかんないもん。価値ゼロだよ。

そうでしょ?どんなに分かりやすい教材や塾があっても、ポココ自身が『これが自分の未来につながっている』という『利用価値』を感じていなければ、やる気は絶対に起きないんだ!

「とりあえずいい高校へ」はNG?やる気につながりにくい理由

なるほど…。じゃあ『いい高校に入って、いい会社に入るために必要でしょ!』って言うのはどうなの?

実はそれ、中学生には一番響かない言葉なんだ。スタンフォード大学の心理学者ウィリアム・デイモン教授の研究でも、『若者には、自分なりの目的(Purpose)を見つけるプロセスが不可欠である』とされている。親から押し付けられた『いい学校』という目的は、子どもの内側から湧き出るモチベーションにはならないんだよ。

そうそう!親の都合を押し付けられてるみたいで嫌なんだよね。自分の人生なのにさ。

うっ…耳が痛い。でも、中学生の段階で『将来の夢』なんて、まだ明確にない子が多いじゃない?どうすればいいの?

立派な職業の夢なんてなくていいんだ。大事なのは、親と一緒に『自分の好きなこと』や『どんな風に生きたいか』を話し合い、言葉にする(アウトプットする)プロセスだよ。これが、勉強の『価値』を見つける第一歩になるんだ。

もちろん、「いい高校に行ってほしい」という言葉は、親の願いや子どもの将来を思いやる気持ちから出るものです。
ただし、子ども本人が自分で見つけた目的でないと、その言葉だけではやる気につながりにくいことがあるのです。

勉強嫌いな子に親ができるサポートとは?

じゃあ、具体的に家でどんな話をすればいいの?

いきなり『進路どうするの!』と問い詰めるんじゃなくて、子どもが自分の興味を『言語化(アウトプット)』できるような質問をしてあげるんだ。例えばこんな方法はどうかな。

  • 「何が好き?」「どんな時が楽しい?」を紙に書き出してみる(未来マップ作り)
  • その好きなことを仕事にしている大人が、どんな知識を使っているか一緒に調べる
  • 「じゃあ、今の学校の勉強は、どの部分でつながりそうか」をパズル感覚で探す

えー、好きなことってゲームとかYouTube見ることくらいだよ?

それでもいいんだ!『ゲームを作るにはプログラミング(数学)や英語が必要だな』『面白い動画を作るには、人の心を動かす国語力や、企画のネタになる歴史の知識が活きるかもしれない』って、親と一緒に調べるんだよ。

なるほど!『勉強しなさい』じゃなくて、『あなたの好きなことを実現するには、今の勉強がどう使えるかな?』って一緒に探すのね。『本当に勉強したの?』って監視してケンカになるより、紙に書き出しながら楽しく話せそう!

それなら悪くないかも。数学がゲーム作りにちょっとでも繋がるなら、まぁ…少しはやってみてもいいかなって気はする!

素晴らしい!そうやって『自分の興味』と『今の勉強』が頭の中で結びついた時(利用価値に気づいた時)、初めて子どもは自発的に机に向かうようになる。家庭学習の話をするのは、その目的が見えてからでも遅くないんだよ。

まとめ 「勉強しなさい」の前に、親子で未来を「アウトプット」しよう 

中学生が勉強嫌いになる根本的な原因は、「自分の将来にどう役立つのか(利用価値)」が見えていないことにあります。 

テストの点数が悪い時や、スマホばかり見ている時こそ、「勉強しなさい!」という言葉をグッと飲み込み、以下のステップを試してみてください。 

  • 子どもの「好きなこと」「興味」を否定せずに引き出す 
  • 紙に書き出し(アウトプット)、頭の中を整理する 
  • その興味が、今の学校の勉強とどう繋がっているか一緒に調べる(期待価値理論の応用) 

「なぜ勉強するのか」という目的(Purpose)を親子で共有できた時、子どもの学習態度は劇的に変わります。まずは今週末、おいしいお菓子でも食べながら、お子さんの「好きなこと」についてじっくり話し合ってみませんか? 

親の本当の役割は、「勉強させること」ではなく、「勉強したくなる理由」を一緒に見つけ、子どもが自分で進められる環境を整えてあげることなのです。 


■ 研究・調査出典

・Jacquelynne S. Eccles et al. (1983) 『Expectancies, values, and academic behaviors.』

・William Damon (2008) 『The Path to Purpose: Helping Our Children Find Their Calling in Life.(目的への道〜子どもたちが人生の天職を見つけるためのサポート〜)』

FAQ

勉強嫌いな中学生には、まずどう関わればよいですか?

勉強そのものが嫌いというより、勉強をする目的が見えていない場合もあります。「勉強をしたくなる理由」を一緒に見つけてあげることが大切です。

中学生が「なんで勉強するの?」と聞いてきたら、どう答えればよいですか?

「将来のため」と一言で答えるだけでは、やる気につながりにくいことがあります。子どもの好きなことや興味と、今の勉強がどこでつながるのかを一緒に考えると、勉強の意味を見つけやすくなります。

「いい高校に行くために勉強しよう」は効果がありますか?

子どもによっては、「いい高校に行くため」という言葉だけではやる気につながりにくい場合があります。子ども自身が「自分にとって意味がある」と感じられる目的を一緒に探すことが大切です。

勉強嫌いな子のやる気を引き出すには、何をすればよいですか?

子どもの「好きなこと」や「興味」を言葉にして、一緒に書き出してみるのがおすすめです。そのうえで、好きなことと今の勉強がどこでつながるのかを親子で考えると、勉強への抵抗感が少しやわらぐことがあります。

親ができる家庭でのサポートは何ですか?

子どもが自分の興味や将来について考えられるように手助けすることが大切です。たとえば、好きなことを紙に書き出す、興味のある仕事や分野を一緒に調べる、今の勉強とのつながりを探すといったサポートがおすすです。

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記事監修者

記事監修者

上沼 真也

5,000名以上の中学生を指導した経験から、デジタルとアナログを掛け合わせた「自宅学習の最適解」を提唱。

ICT教育の専門家として中学生の学習の悩みに寄り添い、最短ルートで目標達成を支援する知見を発信します。