勉強法

中学生の夏休み、スマホばかりになる理由とは?生活リズムを整える親子ルールと20秒ルール

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中学生の夏休み、スマホばかりで勉強しない!スマホから離れる3つの環境づくり

夏休み初日から大バトル!スマホとタブレットが止まらない…

はあ……今日もポココは朝からスマホばっかり。夏休みに入った途端、完全に生活リズムが崩れてるんだよね。スマホを手放したと思ったらタブレットで動画見てるし、こっちばっかりイライラしちゃって、もう限界! 

えー、別にいいじゃん。夏休みなんだから少しはダラダラさせてよ。やることないし、スマホ見てるの楽しいしさ。勉強は後でやろうと思ってたし! 

その「後で」を信じて、これまで何回裏切られたことか! 「スマホばっかりいじってないで、早く勉強しなさい!」って言うのも疲れちゃった。 

おやおや、夏休みの風物詩とも言えるバトルが早くも始まっているね。

皆さんにも、似たような経験はありませんか?
しかし、感情的にスマホを取り上げたり、頭ごなしに「勉強しなさい!」と命令したりするだけでは、親子げんかが増え、本人が自分から行動するきっかけを失ってしまうこともあります。

そうは言っても、放っておいたら、本当に一日中スマホを触って勉強しないままだよ……。どうして夏休みになると、こんなに生活リズムがガタガタになっちゃうのかな? 

科学的に分析!なぜ中学生は夏休みにスマホをやめられないの?

子どもがスマホやタブレットをなかなかやめられないのには、本人の意思の弱さだけではなく、心理的な仕組みや生活環境が関係していると考えられているんだ。大きく分けて2つのポイントがあるよ。

①「見るな」と言われるほど気になる?心の皮肉な仕組みとは

エブリ、ちょっと想像してみて。「シロクマのことは、絶対に頭の中で考えないで」って言われたら、どうなるかな?

え?……言われた瞬間、頭の中に真っ白でモコモコしたシロクマが浮かんじゃった!

そうだよね。心理学者のダニエル・ウェグナーらは、「考えないようにしよう」と意識するほど、かえってその対象が頭に浮かびやすくなる現象を研究したんだ。これは皮肉なプロセス理論(Ironic Process Theory)」と呼ばれているよ。

あ!「スマホを見るな」って言われると、逆にスマホのことばかり考えちゃうのも、それに近いのかな?

もちろん、必要なルールまでなくす必要はありません。
ただ、「見るな」「触るな」と禁止を繰り返すだけでは、本人の注意がスマホへ向き続けてしまうこともあります。禁止するだけでなく、「いつ・どこなら使えるか」「使わない間はどこに置くか」まで具体的に決めることが大切です。

②夜のスマホが招く「社会的時差ボケ(ソーシャル・ジェットラグ)」

もう一つの原因は、物理的な生活リズムの乱れだね。

夏休みに夜遅くまでスマホを使うと、画面の光によって体内時計やメラトニンの分泌が影響を受けることがあります。
それだけでなく、動画やSNSを見続けて就寝時刻が遅くなることも、睡眠リズムを崩す原因になりえます。

だから夜寝るのが遅くなって、朝起きられなくなるんだね……。 

また、学校がある日と休日で、寝る時刻や起きる時刻が大きくずれる状態は、「社会的時差ボケ(ソーシャル・ジェットラグ)」と呼ばれています。
これが起きると、日中の眠気や疲労感につながり、勉強へ集中しにくくなる可能性があります。

スマホから離れて、夏休みの生活リズムを整える3つのコツ

原因は分かったけど、じゃあ具体的にどうすればいいの? スマホを無理やり取り上げる以外に、何か方法はある?

言葉で禁止するだけではなく、子どもがスマホから離れやすく、勉強を始めやすい環境を仕組みとして作るのがおすすめだよ。明日からすぐに試せる3つの具体的な解決策を紹介するね。

① スマホを遠ざける「20秒ルール」

まずは、ポジティブ心理学の研究者・著者であるショーン・エイカー氏が、著書の中で紹介した「20秒ルール」を参考にしてみよう。

これは、やめたい行動を始めるまでの手間を増やし、続けたい行動を始めるまでの手間を減らすという習慣づくりのアイデアです。
スマホをすぐに触れない場所へ置き、勉強道具をすぐ使える状態にするなど、行動までのひと手間を変えることがポイントです。

※名称は「20秒ルール」ですが、必ず20秒を測る必要はありません。

【スマホを遠ざける具体的な工夫例】

  • スマートフォンの電源を切り、親子で決めた場所へ置く
  • 親子で決めた時間には、リビングの充電スペースへ置く
  • 通知をオフにし、動画やSNSのアプリをホーム画面から外す

確かに、スマホが目の前にあると無意識に触っちゃうけど、わざわざ別の部屋まで行って電源を入れ直すのは……ちょっと面倒くさくて諦めるかも。 

逆に、取り組むワークと筆記用具は机の上や手に取りやすい場所へ準備しておこう。勉強を始めるまでの手間をできるだけ減らすことで、最初の一歩を踏み出しやすくなるよ。

「勉強しなさい」ではなく、小さな選択肢を子ども自身に選ばせる

次に、子どもに何かを促すときは、命令ではなく「選択肢」を提示して、自分で決めさせることが大切なんだ。 

【声掛けの工夫例】

NGスマホばかり見てないで、早く勉強しなさい!

OK10分だけ数学のワークをやるのと、英単語を5つ覚えてみるの、どっちからはじめる?

それなら、「どっちかならやってもいいか」って自分で選べるから、押し付けられた感じがしなくてイライラしないかも!

自分で決めて行動できたという「小さな成功体験」を重ねることが大切なんだ。実際に子どもたちを見ていても、「自分で選んでできた」という経験が、次の学習へ向かうきっかけになることは多いんだよ。

スマホやテレビを見る「場所」をゾーニングする

最後は、家の中の環境づくりだね。スマホの使用を「時間」だけで制限しようとすると、ついオーバーしてケンカになりやすい。そこでおすすめなのが「場所」でルールを決める方法だよ。 

【ゾーニングルールの例】

  • 娯楽目的でスマホやゲームを使う場所を、リビングなどに決める
  • 勉強中や就寝時は、スマホを机やベッドから離れた場所へ置く
  • 学習で使う場合は、使う目的や終了時刻を先に決める

なるほど! 勉強机が「集中するための場所」になれば、机に向かったときに勉強モードに切り替わりやすくなりそうだね。

休みだからといって特別なことをするのではなく、こうした小さな仕組みで家庭学習のハードルを下げてあげることが、勉強が苦手な子や、机に向かうのが嫌いな子のモチベーションを支えるコツなんだ。

まとめ:少しの工夫でイライラしない夏休みを

ただ怒るんじゃなくて、お互いがイライラしない「仕組み」や「約束」を作ることが大切なんだね。ポココばかりを責めても仕方がないしね。

ルールを決める際には保護者が一方的に決めるのではなく、「何時まで使うか」「勉強中はどこへ置くか」「例外はどんなときか」を親子で話し合い、守れそうなルールを決めることが大切です。

たとえば、「午前中にワークを1ページ終えたらスマホを使う」「夜10時以降はリビングで充電する」など、時間・場所・やることを具体的に決めてみましょう。

そうだね、エブリと話しながら、自分で決めてやってみようかな!夏休みはいつもより時間があるし。 

素晴らしいね。夏休みは普段と違う生活になるからこそ、親子で話し合い、双方が納得して続けられるルールを作るチャンスなんだ。まずはスマホを置く場所を変えたり、勉強道具を準備したりして、小さな環境づくりから始めてみよう!

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FAQ

中学生が夏休みにスマホや動画に夢中になってしまうのはなぜですか?

中学生が夏休みにスマホをやめられない背景には、単なる「意思の弱さ」だけでなく、スマホがすぐ手に取れる環境や、生活リズムの変化が関係している場合があります。
また、「勉強しなければいけない」と分かっていても、今すぐ楽しいスマホや動画を優先してしまうこともあります。まずは勉強を始めやすい環境づくりから考えてみることが大切です。

夏休み中のスマホは取り上げたほうがよいですか?

スマホを一方的に取り上げるだけでは、親子げんかにつながったり、子どもが納得できないままルールを守れなくなったりすることがあります。
「何時まで使うか」「どこに置くか」「勉強中はどうするか」などを親子で話し合い、本人も納得できるルールを作ることがおすすめです。

中学生のスマホ使用時間は何時間までに制限すればよいですか?

スマホの適切な使用時間は、家庭の生活スタイルや目的によって異なるため、一律に何時間と決めることは難しいです。
大切なのは時間だけで制限するのではなく、「勉強中は別の場所に置く」「就寝前はスマホを使わない」など、生活リズムを崩さない使い方を親子で決めることです。

「勉強しなさい」と言っても子どもが動かない場合、どう声かけすればよいですか?

命令だけではなく、子ども自身が選べる形で声をかけることがおすすめです。
例えば、「早く勉強しなさい」ではなく、「数学のワークを1問解くのと、英単語を5個覚えるのなら、どちらから始める?」のように選択肢を渡すことで、自分で決めて行動するきっかけになります。

「20秒ルール」とは何ですか?

20秒ルールとは、ポジティブ心理学の研究者・著者であるショーン・エイカー氏が紹介した、習慣づくりの考え方です。やめたい行動までの手間を増やし、続けたい行動までの手間を減らすことで、行動を変えやすくするというものです。
例えば、スマホをすぐ触れない場所へ置く、勉強道具をすぐ使える状態にしておくなど、環境を整える工夫に活用できます。

夏休みに生活リズムが崩れた場合、何から改善すればよいですか

まずは睡眠リズムを整えることから始めましょう。
夜更かしや朝寝坊が続くと、日中の眠気や集中力低下につながる場合があります。いきなり完璧を目指すのではなく、「起きる時間を決める」「夜のスマホを置く場所を決める」など、小さなルールから整えていくことがおすすめです。

スマホを使った学習も禁止したほうがよいですか?

スマホやタブレットは、使い方によっては学習にも活用できます。
大切なのは、娯楽目的の利用と学習目的の利用を分けることです。「何のために使うのか」「いつ終わるのか」を決めて使うことで、デジタル教材を効果的に活用できます。

夏休みに勉強習慣を作るには、どのくらいの時間から始めればよいですか?

最初から長時間の勉強を目標にすると、始めること自体が負担になる場合があります。
まずは5分や1問など、小さな学習から始めるのがおすすめです。「できた」という経験を積み重ねることで、少しずつ家庭学習の習慣につながります。


■ 研究・調査出典

・Wegner, D. M.(1994)“Ironic Processes of Mental Control.” Psychological Review, 101(1), 34–52. https://doi.org/10.1037/0033-295X.101.1.34
・Achor, S.(2010)The Happiness Advantage: The Seven Principles of Positive Psychology That Fuel Success and Performance at Work. New York: Crown Business.
・Hale, L., & Guan, S.(2015)“Screen Time and Sleep among School-Aged Children and Adolescents: A Systematic Literature Review.” Sleep Medicine Reviews, 21, 50–58. https://doi.org/10.1016/j.smrv.2014.07.007
・Chang, A.-M., Aeschbach, D., Duffy, J. F., & Czeisler, C. A.(2015)“Evening Use of Light-Emitting eReaders Negatively Affects Sleep, Circadian Timing, and Next-Morning Alertness.” Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 112(4), 1232–1237. https://doi.org/10.1073/pnas.1418490112
・Komada, Y., Breugelmans, R., Drake, C. L., Nakajima, S., Tamura, N., Tanaka, H., Inoue, S., & Inoue, Y.(2016)“Social Jetlag Affects Subjective Daytime Sleepiness in School-Aged Children and Adolescents: A Study Using the Japanese Version of the Pediatric Daytime Sleepiness Scale(PDSS-J).” Chronobiology International, 33(10), 1311–1319. https://doi.org/10.1080/07420528.2016.1213739

記事監修者

記事監修者

上沼 真也

5,000名以上の中学生を指導した経験から、デジタルとアナログを掛け合わせた「自宅学習の最適解」を提唱。

ICT教育の専門家として中学生の学習の悩みに寄り添い、最短ルートで目標達成を支援する知見を発信します。