学校生活・進路

中1の定期テスト後に勉強スイッチを入れる!未来から逆算する目標設定術

この記事は約3分で読めます
中1の定期テスト後に勉強しないのはなぜ?「将来展望」を生かした目標設定のコツ

「中学生になって初めての定期テスト。結果が思わしくなかったのに、家でだらだらスマホばかり…」
『勉強する時間がない』『どうせ勉強しても点数取れない』と言い訳ばかりで、家庭学習が全く進まない…
そんな悩みを持つ中1の保護者の方は多いのではないでしょうか。  

テスト後に勉強へ向かえない背景には、単なる「やる気不足」だけでなく、テスト結果への落ち込みや、「今の勉強が将来どう役立つのか」が見えていないことが関係している場合があります。

今回は、エブリとポココ、そして教育の専門家・ドスター博士の会話を通して、今日から親子で取り組める「やる気を引き出す目標設定のヒント」を考えていきましょう。

学習意欲と「将来展望」の関係

はぁ…。ポココ、初めての定期テストの結果が悪かったのに、今日もソファでだらだらしてゲームばっかり。ちょっとは焦って勉強してほしいんだけど。

えー。だって、今からそんなに勉強しなきゃいけない理由が分からないもん。高校受験なんて、まだずっと先でしょ?

2人とも、悩んでいるみたいだね。実は、ポココが勉強へ向かえないのは、単なる「なまけ」ではなく、今の行動と未来が頭の中でうまくつながっていないからかもしれないよ。

今の行動と未来?どういうこと? 

教育心理学の世界で1980年代から研究されている「将来展望(Future Time Perspective)」という概念があるんだよ。

「将来展望」とは、簡単にいうと、将来の目標をどのように思い描き、その未来と現在の行動をどれくらい結びつけて考えられるか、というものです。

将来の目標と今の学習とのつながりを意識できる生徒ほど、現在の勉強を「自分に必要なもの」と捉えやすく、学習への取り組み方にもよい傾向が見られるとされています。

うーん、でも「将来のために今勉強しろ」って言われても、やっぱり遠すぎてピンとこないんだよね。 

そうだよね。中学生にとって数年後の受験は遠い未来だから、実感が湧かないのは自然なことだよ。

だからこそ、親御さんが今の勉強と未来をくっつける手伝いをしてあげることが大切です。

ここからはポココを例に、「少しでも興味を持っていること」から、未来の目標を考えてみましょう。

今と未来をつなげる長期目標の決め方

長期目標を考えるときに大切なのは、いきなり「将来の夢は?」「志望校はどこ?」と聞かないことだよ。まずは、好きなもの・興味があるものからはなしてみよう!

うーん、好きなもの……ゲームとかパソコンかな。あと、アニメを見るのも好き。

それなら、「パソコンや情報について学べる高校」や「eスポーツ部がある高校」、「美術やデザインに力を入れている高校」などを、一緒に探してみるのはどうかな?

中学生の勉強は「やらされるもの」になりがちですが、「こんな高校もあるんだ」「ちょっと面白そう」と感じられると、未来を考えるきっかけになるかもしれません。

好きなことを入り口にして高校を探してみるんだね。
それなら、「どこの塾がいいか」「どんな教材を使えばいいか」と親が一方的に決める前に、楽しく話ができるかも!

その通り!そして「ここに行ってみたいかも」「こんなことを学んでみたい」という目標がざっくり決まったら、そこから「逆算」するんだ。

その高校に入るには、次のテストで各教科をあと何点くらい伸ばしたいか、目標点を決めてみてください。
そして、

  • 次の定期テストで、理科を前回より10点上げる
  • 英単語の小テストで8割を取る
  • 苦手な計算問題を毎日1つ復習する

といったような、具体的な目標に落とし込んでみます。

もし具体的な高校が見つからなくても、今の成績や得意・苦手を確認し、まずは次の定期テストで達成できそうな目標を決めてみることから始めてみましょう。

そっか!「面白そうな高校に行くために、次の理科の点数をあと10点上げる方法」って考えたら、なんだかゲームの攻略みたいでやる気出るかも。 

その意気だね!目標が明確になれば、遠かった未来と今の勉強がつながるんだ。そうすれば、どんな家庭学習が必要か、自分から考えるきっかけになるはずだよ。 

今夜は「勉強しなさい!」じゃなくて、「どんな高校や部活があるか、一緒に見てみない?」って声をかけてみるよ!

まとめ:3つのステップでサポートしよう!

初めての定期テストで思うような結果が出ず、勉強へ向かえない背景には、テスト結果への落ち込みや、未来と今の勉強とのつながりが見えていないことが関係している場合があります。

親が一方的に勉強を管理するのではなく、次の3つのステップでサポートしてみましょう。

1.興味から未来の目標を考える

ゲーム、スポーツ、料理、パソコン、イラストなど、子どもの好きなことを入り口にします。

2.興味につながる高校や進路を一緒に調べる

部活動や専門コース、学校の特色などを見ながら、「面白そう」「行ってみたい」という気持ちを育てます。

3.具体的な目標に落とし込む(逆算)

「次のテストで10点上げる」「毎日1つ解く」など、具体的な数字を今の目標に落とし込みます。

「勉強しなさい」と声をかける代わりに、「どんな高校なら楽しそう?」「何を学んでみたい?」という会話から、お子さんの未来と今をつなぐサポートを始めてみてください。

お子さんが自ら「やってみよう!」と思えたその時が、勉強量を増やせるタイミングです! 

提供・運営:

「行きたい高校」が見つかって目標点が決まったら、次は実行あるのみ!  
「でも、何から手をつければ…」と迷ったら、まずは1回5分から始められる小さなステップで、少しずつ家庭学習の習慣を整えてみませんか?

FAQ

中1の子どもが定期テスト後に勉強しなくなるのはなぜですか?

定期テストが終わった安心感や疲れ、思うような点数が取れなかったことへの落ち込みなどが考えられます。また、「今の勉強が将来何につながるのか」が見えず、勉強する目的を感じられていない場合もあります。まずは「やる気がない」と決めつけず、本人の気持ちを聞くことから始めてみましょう。

定期テスト後、子どもに「勉強しなさい」と言わないほうがよいですか?

「勉強しなさい」と繰り返すだけでは、子どもが勉強を「親にやらされるもの」と感じてしまうことがあります。代わりに、「今回のテストで難しかったところはどこ?」「次は何点くらい取りたい?」など、子ども自身が振り返りや目標を考えられる声かけがおすすめです。

中1で志望高校を決めるのは早すぎませんか?

中学1年生の段階で、志望高校を一つに決める必要はありません。まずは、興味のある部活動や学びたい分野、学校の雰囲気などから、「こんな高校も楽しそう」と感じられる学校を探すだけでも十分です。将来の選択肢を知ることが、今の勉強を考えるきっかけになります。

目標点はどのように決めればよいですか?

前回の点数や苦手分野を確認し、「理科を前回より10点上げる」「英単語の小テストで8割を取る」など、具体的な数字にすると行動へつなげやすくなります。目標が高すぎると負担になるため、達成可能な範囲から始めてみることをおすすめします。

将来や進路に興味を示さない場合はどうすればよいですか?

無理に将来の夢や志望校を決めさせる必要はありません。ゲーム、スポーツ、パソコン、料理、イラストなど、普段好きなことについて話しながら、それに関連する部活動や高校の特色を一緒に調べてみましょう。具体的な進路が見つからない場合は、次の定期テストで達成したい身近な目標を考えることから始めても大丈夫です。


■ 研究・調査出典 

・Nuttin, J.(1985)
Future Time Perspective and Motivation: Theory and Research Method.
・de Bilde, J., Vansteenkiste, M., & Lens, W.(2011)
“Understanding the association between future time perspective and self-regulated learning through the lens of self-determination theory.”
Learning and Instruction, 21, 332–344.

記事監修者

記事監修者

上沼 真也

5,000名以上の中学生を指導した経験から、デジタルとアナログを掛け合わせた「自宅学習の最適解」を提唱。

ICT教育の専門家として中学生の学習の悩みに寄り添い、最短ルートで目標達成を支援する知見を発信します。