夏休みに入り、部活動がいよいよ本格化する時期。特に吹奏楽部では、夏のコンクールに向けて長時間の練習が続き、帰宅する頃には心も体もクタクタ……という中学生も多いのではないでしょうか。
「帰ってきても、机に向かう気配がない」
「宿題や2学期の勉強が進んでいなくて心配」
コンクールを頑張ってほしい気持ちがある一方で、勉強の遅れや受験への影響が気になる保護者の方も多いはずです。
そこで今回は、部活で忙しい中学生が無理なく家庭学習を続けるための工夫を、疲労や睡眠との関係も踏まえて紹介します。
部活でクタクタ……勉強まで手が回らないのはなぜ?
なぜ部活後は勉強できない?体だけでなく頭も疲れている
Abd-Elfattah氏らによる疲労に関する研究レビューでは、身体活動などによる疲労が、身体機能だけでなく認知機能にも影響を及ぼす可能性があることが示されています。
もちろん、疲れ方や影響の出方には個人差がありますが、疲れている状態から、宿題を選んで、教材を用意して、気持ちを勉強に切り替えるのは簡単ではありません。
特にコンクール前のように長時間の練習が続く時期は、まず疲れていることを理解してあげることが大切です。
夜が難しいなら、勉強時間を朝に移してみよう!
睡眠と記憶に関する研究では、睡眠中に日中に得た情報が再び活性化され、海馬や大脳皮質などの連携によって、長期的な記憶へ整理・統合されていくと考えられています。
忙しい朝の学習は、前日の準備がポイント!
まとめ:部活で忙しい夏休みは、学習時間を工夫しよう
吹奏楽部のコンクール前など、長時間の練習が続く時期に帰宅後すぐ勉強できないのは、単なる怠けや、やる気不足とは限りません。
吹奏楽部の練習では、楽譜を読み、周囲の音を聴き、指揮者の動きを見ながら、自分の演奏を調整し続けます。こうした活動が長時間続けば、体だけでなく、集中力や注意力にも疲れが出る可能性があります。
部活と勉強を無理なく両立するためのポイントは、次の3つです。
- 帰宅後に疲れ切っている日は、無理に長時間勉強しようとせず、十分な睡眠を取る
- 十分な睡眠を確保したうえで、朝の10分から15分を学習に使ってみる
- 前日の夜に、翌朝取り組む内容をあらかじめ決めておく
睡眠には、日中に学んだことを記憶として定着させる働きがあります。睡眠中には記憶に関わる情報が再び活性化され、海馬や大脳皮質などの連携によって、長期的な記憶へ整理・統合されていくと考えられています。
もちろん、朝学習がすべての中学生に合うとは限りません。大切なのは、本人が比較的疲れていない時間を見つけ、無理なく続けられる方法を試すことです。
コンクール前は、勉強量を一気に増やすことよりも、「今日も少し取り組めた」と思える学習のリズムを保つことから始めてみましょう。
提供・運営:
部活で忙しい時期の家庭学習には、短い時間に区切って進められ、自分の予定に合わせて取り組める教材も選択肢の一つです。
\部活で忙しい中学生の家庭学習に!/
5~15分ほどの短い時間から取り組める
FAQ
部活で疲れて勉強できないのは、やる気がないからですか?
必ずしも、やる気不足や怠けが原因とは限りません。
長時間の部活動では、体を動かすだけでなく、周囲に注意を向けたり、状況を判断したり、集中を保ったりする必要があります。疲労に関する研究レビューでも、身体活動などによる疲労が、身体機能だけでなく認知機能にも影響を及ぼす可能性が整理されています。
疲れ方には個人差があるため、帰宅後すぐに勉強できない場合は、「やる気がない」と決めつけず、休息や学習時間の見直しを考えてみましょう。
部活で忙しい中学生は、朝に勉強した方がよいですか?
帰宅後に疲れて勉強できない場合は、朝の短い時間に取り組む方法もあります。
ただし、朝に勉強すれば必ず集中力が高まるとは限りません。睡眠時間を削って早起きすると、かえって集中しにくくなる可能性があります。
十分な睡眠を確保したうえで、朝の10分から15分を使い、本人に合うか試してみるのがおすすめです。
朝学習では、何を勉強すればよいですか?
朝になってから内容を考えるのではなく、前日の夜に取り組む内容を決めておくと始めやすくなります。
例えば、
- 英単語を覚える
- 前日の授業内容を復習する
- 問題を数問解く
- 短い授業動画を見る
など、短い時間で区切れる内容がおすすめです。
「何分勉強するか」だけでなく、「どこまで取り組むか」を具体的に決めておくことがポイントです。
夜は勉強せず、すぐ寝てもよいのでしょうか?
疲れが強い日は、無理に夜更かしして勉強するよりも、睡眠を優先した方がよい場合があります。
睡眠は体を休ませるだけでなく、日中に得た情報を記憶として定着させる過程にも関わっています。睡眠中には記憶に関連する情報の再活性化が起こり、海馬と大脳皮質の連携を通して長期記憶へ整理されていくと考えられています。
ただし、宿題の締め切りなどもあるため、本人の体調や予定に合わせて、朝・休日・部活のない日に学習時間を調整しましょう。
■研究・調査出典
・Abd-Elfattah, H. M., Abdelazeim, F. H., & Elshennawy, S.(2015)
“Physical and cognitive consequences of fatigue: A review”
Journal of Advanced Research, 6(3), 351–358.
DOI: 10.1016/j.jare.2015.01.011
・Brodt, S., Inostroza, M., Niethard, N., & Born, J.(2023)
“Sleep—A brain-state serving systems memory consolidation”
Neuron, 111(7), 1050–1075.
DOI: 10.1016/j.neuron.2023.03.005
・池谷裕二(2001)
『記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方』講談社ブルーバックス











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