習慣化・科学

中学生がYouTubeやTikTokなどの動画にハマる理由とは?集中力を取り戻す方法

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中学生が勉強より動画にハマる理由とは?集中力を取り戻す方法

「タブレットで勉強するって言ったのに、気付けばずっとYouTubeやTikTokを見ている…」
「ちょっと休憩のつもりが、1時間以上もスマホをいじっている」 

中学生の家庭学習につきものの、このお悩み。
親としては「このままでテストの点数は大丈夫なの?」「勉強する気がないの!?」とイライラしてしまいますよね。でも実はこれ、お子さんの意志が弱いからではないんです。 

今回は、中学生が動画にハマってしまう科学的な理由と、学習への悪影響、そしてそこから抜け出すための具体的な対策を考えていきましょう!


こらポココ! またスマホでゲーム実況見てる! 勉強するって言ってたのに、もう1時間も経ってるよ!

えっ、もうそんな時間!? ちょっと息抜きのつもりで1個だけ見るつもりが、次から次に面白い動画が出てくるから、つい……

いつもそれじゃん! 最近、机に向かってもすぐスマホ触るし、全然集中できてないんじゃないの?

やあやあ、二人とも。エブリが怒る気持ちもわかるけど、今回ばかりはポココを責めきれない事情があるんだ。ポココが動画をやめられないのは、気合いや根性の問題じゃなくて、『脳がハッキングされている』状態なんだよ。

なぜ「動画」を無限に見てしまうの?

脳がハッキング!? なんか怖いんだけど……

スタンフォード大学医学部のアンナ・レンブケ教授の研究が、その謎を解明しているんだ。スマホのショート動画やSNSは、脳の報酬系という部分を刺激して『ドーパミン』という快楽物質の放出を促しやすいように設計されているんだよ。

ドーパミンって、達成感とかを感じるホルモンよね?

そう。本来ドーパミンは『難しい問題を解けた!』みたいな努力のあとにご褒美として出るものなんだ。

しかし、スマホの動画は指でスワイプするだけで、一瞬で大量のドーパミンが出ます。
レンブケ教授はこれを『ドーパミンのホース(Firehose of dopamine)』と呼んでおり、スマホは現代の強力な依存性物質だと警告しているのです。

たしかに、スワイプするだけで次々に新しい動画が出るから、何も考えてないのにすごく楽しい気分になるかも……。

デジタルが学習に与える「恐ろしい悪影響」とは?

でも、息抜きでドーパミンが出るなら、そのあと勉強も頑張れそうな気がするけど……違うの?

そこが最大の罠なんだ! 脳は大量のドーパミンを浴び続けると、バランスをとろうとしてドーパミンを受け取るセンサーを減らしてしまう。これは『ドーパミン赤字状態』って表現されることもあるんだよ。

ドーパミン赤字??……どうなっちゃうの?

センサーが鈍くなってしまうので、ちょっとやそっとの刺激じゃ何も感じにくくなる…。
つまり、「コツコツ教科書を読む」、「じっくり数学の問題を解く」というような、強い刺激のない地道な勉強が、耐えられないくらい退屈で苦痛に感じるようになってしまう可能性があるのです。

ええっ!? じゃあ、勉強への集中力が続かないのは、動画のせいで脳が『強い刺激』に慣れきっちゃってるからってこと!?

その通り。これが、動画視聴にハマる最大の悪影響なんだ。いくら良いテキストやタブレット教材を与えても、すぐ隣に『指先ひとつでドーパミンがドバドバ出るもの』があったら、中学生の脳は強い誘惑を感じやすくなるんだよ。

集中力を取り戻す対策は「アナログなアウトプット」

なんてこと……。じゃあ、ポココがちゃんと勉強に集中できるようにするには、どうしたらいいの? スマホを解約するしかない?

うーん、今の時代はデジタルを完全に遠ざけるのは現実的じゃないよね。対策は2つのステップがあるんだ。

まず1つ目は「勉強中はスマホを別の部屋(物理的に見えない場所)に置く」こと。
視界に入るだけで脳はドーパミンを求めてエネルギーを消耗してしまうからです。

うっ……それは耳が痛い。

そして2つ目が一番重要です!
勉強の刺激を少しでも高めるために、「必ず紙のノートに自分の手で書き出す(アウトプットする)」ことです。

ノートに書くことが、なんで対策になるの?

タブレットの画面を眺めているだけの「インプット」は、受動的で脳への刺激が少ないため、すぐに「もっと刺激を!」と動画が見たくなってしまいます。
しかし、鉛筆を持って手を動かし、ノートに文字を書く『アナログのアウトプット』は、脳のいろんな部分を同時に使う能動的な作業なのです。

アメリカ・ノースカロライナ大学グリーンズボロ校のロバート・ワイリー教授も、手書きは視覚・運動・聴覚など複数の経路を活性化すると説明しています。

たしかに、手を動かして書いてるときは、他のこと考える余裕がないかも。

そうだよね! ただ動画を見るだけ・画面を見るだけの学習よりも、手を動かして書く学習のほうが、頭を積極的に使いやすくなるんだ。

さらに、ノートに書いたものが「目に見える成果」として残るので、勉強が終わった後に「今日は2ページも進んだぞ!」という、健全で自然な達成感を得ることができます。

それに、ノートという『勉強した証拠』が残れば、エブリも『ちゃんとやってるのかな?』って不安にならずに安心できるんじゃないかな?

たしかに! ノートの跡を見れば頑張りがひと目でわかるわね!それに動画の強い刺激による一時的な快感じゃなくて、自分の努力で『本物の達成感』を味わうサイクルができそう!

ドスター博士

その通り。もし家庭学習でタブレット教材を使っている場合でも、必ず横に『紙テキストやノート』を置いて、手を動かしながら進めること。これが、勉強に取り組みやすい環境をつくる第一歩なんだ。

よーし、じゃあ今日は試しにスマホをリビングに置いて、ノートを用意して勉強してみる!

まとめ:アナログな習慣作りをはじめてみよう!

中学生が「動画」にハマってしまうのは、意志の弱さではなく、アプリが脳の「ドーパミン(報酬系)」を過剰に刺激するように作られているからです。 その強い刺激に脳が慣れてしまうと、コツコツ取り組む「勉強」が極端に退屈に感じられ、集中力が続かなくなってしまいます。 

この状態から抜け出すための対策は以下の2つです。 

  • 勉強中はスマホを別の部屋に置く(視界から消す) 
  • 必ず「紙のノートに手を動かして書く(アウトプット)」を取り入れる

「手を動かして書く」ことは、視覚・運動・聴覚など複数の感覚を使うため、頭を積極的に働かせる学習につながり、健全な達成感をもたらしてくれます。 「うちの子、動画ばっかり…」と悩む保護者の皆様、まずは「スマホを離して、紙のテキスト・ノートを開く」というアナログな習慣づくりから、親子で始めてみませんか?

提供・運営:

動画を見るだけではなく、「見る→書く→解く」を繰り返す学習習慣を作ることが、集中力を育てる近道です。

動画解説×手書きテキストで自走力を育む

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FAQ

中学生が動画ばかり見て勉強しないのはなぜですか?

YouTubeやTikTokなどの動画は脳の報酬系を刺激し、強い快感を得やすい仕組みになっています。そのため、勉強よりも動画を優先してしまうことがあります。意志の弱さだけが原因ではありません。

動画を見ると集中力は下がりますか?

長時間の動画視聴が続くと、刺激の少ない勉強を退屈に感じやすくなることがあります。適度な利用を心がけ、勉強中はスマホを手の届かない場所に置くことがおすすめです。

動画の見過ぎを防ぐにはどうすればいいですか?

勉強中はスマホを別の部屋に置く、通知をオフにするなど、誘惑を減らす環境づくりが効果的です。また、学習では紙のノートに書きながら取り組むことで集中しやすくなります。

タブレット学習だけでは集中力は身につきませんか?

タブレット学習自体が悪いわけではありません。動画を見るだけで終わらせず、紙のノートやテキストに書いてアウトプットを組み合わせることで、理解や記憶の定着、集中力の維持につながります。


■ 研究・調査出典 

・Anna Lembke (2021) 『Dopamine Nation: Finding Balance in the Age of Indulgence(ドーパミン・ネーション――渇望と過剰の時代をどう生きるか) 』 
・National Geographic「脳にとって『最高の刺激』とは何か、脳の劣化を防ぐ秘訣」(ロバート・ワイリー教授のコメント紹介)

記事監修者

記事監修者

上沼 真也

5,000名以上の中学生を指導した経験から、デジタルとアナログを掛け合わせた「自宅学習の最適解」を提唱。

ICT教育の専門家として中学生の学習の悩みに寄り添い、最短ルートで目標達成を支援する知見を発信します。