親子のかかわり

【中学生】休日にだらだらして勉強しないのはなぜ?親がイライラしない接し方〈前編〉

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休日になると、スマホを見ながらだらだら。何度言っても勉強しない――。

そんな中学生を見て、「時間があるんだから少しくらい勉強すればいいのに」とイライラしてしまう保護者もいるのではないでしょうか。

でも、休日に動けないのは、単なる「怠け」とは限りません。

中学生は、計画や自制に関わる脳の働きがまだ発達途中です。
さらに、学校・部活・塾などで疲れがたまっていることもあります。

そのため、休日の最初から「勉強しなさい」と追い立てるより、

  • まず休息を認める
  • 勉強以外の会話をする
  • 家を安心して過ごせる場所にする

ことが、結果として次の行動につながりやすくなることがあります。

今回は、なぜ中学生が休日にだらだらしやすいのか、そして親はどう接すればよいのかを見ていきましょう。

あーもう!せっかくの休日なのに、ポココはずっとスマホばかり見てだらだらしてる!中学生になったんだから、少しは勉強したらどうなの!?

えー、休みの日くらいゆっくりさせてよ。平日ずっと忙しくて疲れてるんだからさー。

みんな疲れてるの!『あとでやる』って言って、結局休日が終わっちゃうじゃん!テストの点も下がる一方だし、本当にイライラする……!

エブリ、その気持ちはわかるよ。でも、ポココが動けない理由を『怠け』だけで考えない方がいいかもしれないよ。

中学生が休日にだらだらするのはなぜ?

中学生が休日にだらだらしてしまう背景には、脳の発達段階や平日の疲れが関係している可能性があります。

理由① 計画や自制に関わる脳はまだ発達途中

10代の脳では、計画を立てたり、優先順位を決めたり、行動を調整したりする働きに関わる『前頭前野』がまだ発達途中なんだ。

米国国立精神衛生研究所(NIMH)も、前頭前野は脳の中でも成熟が遅い部分で、計画・優先順位づけ・意思決定などに関わるとしています。

じゃあ、勉強より動画とかゲームを選んじゃうのにも関係あるの?

脳の発達段階も理由のひとつだね。もちろんスマホの使い方や生活習慣など、ほかの要因もあるけれど、大人と同じように計画的に行動できることを最初から期待しすぎない方がいいんだ。

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『10代の脳 反抗期と思春期の子どもにどう対処するか』

なるほど、脳が発達途中なのはわかったよ。でも、それにしても休日はだらだらしすぎじゃない?

理由② 平日の疲れが休日に出ていることもある

中学生は、十分な睡眠や休息が必要な時期です。
13〜18歳には、一般に1日8〜10時間の睡眠が推奨されています。睡眠不足は注意力や学習、行動などにも影響する可能性があります。

エブリ、中学生の日常を思い出してみて。

平日は朝から夕方まで学校で授業を受けて、その後は部活でクタクタ。さらに習い事や塾まである…。
このような忙しい毎日を過ごしている中学生も少なくありません。
そのため、休日になって平日の疲れが一気に出ることも考えられます。

そうそう!毎日ギリギリで頑張ってるんだから、休日くらいは自由にさせてほしいんだよ!休ませてくれないと、いざ勉強しようと思ってもやる気がでないよ。

親が安心できる存在であることも大切

そして、もう1つ大事なのが、アメリカの心理学者メアリー・エインスワースが提唱した『安全基地(secure base)』という概念なんだ。

安全基地?

子どもにとって、親などの身近な大人が安心して戻れる「安全基地」となることで、周囲を探索したり、新しいことに挑戦したりしやすくなると考えられています。

もし休日の家が『勉強しなさい!』と監視される場所になってしまったら、落ち着きにくくなることもあるということだよ。

うっ……。確かに、家でもずっとピリピリしてたら、休まる暇がないよね。

そう。だから休日は、まず家で安心して過ごせる時間を作ることも大切なんだよ。

休日に勉強しない中学生へ、親ができる2つのこと

じゃあ、休日はどう接すればいいの?ただ放置すればいいってこと?

放置ではなく、『勉強以外のコミュニケーション』を大切にするんだ。親のイライラを減らして、家庭を安全基地にするためのポイントを2つ教えるね。

① 最初から「勉強させなきゃ」と構えない

休日は、勉強だけでなく休息も必要な時間です。

まずは親の心構えを変えよう。

「休日は時間があるから勉強するもの」という期待を一度手放して、「休日は平日の疲れをとる日でもある」、「今日は疲れているのかもしれない」と、考えてみてください。
休むことを認めたからといって、休日を丸ごと放置する必要はありません。

保護者さんが「全然勉強しない!」とイライラするのをやめるだけで、家の雰囲気がグッと良くなって、立派な安全基地になる場合もあります。

まず休む。そのあと、動けそうなタイミングを探す。

この順番で考えると、親も子も少し楽になります。


② 「勉強以外の会話」を増やす

勉強の話だけになっているときほど、あえて雑談を入れてみましょう。

たとえば、

  • 最近どんな動画が好きなの?
  • 部活どうだった?
  • そのゲーム面白い?
  • 今度なに食べたい?

といった、他愛もない雑談を楽しんでみてください。

『宿題やった?』という確認だけで会話が終わってしまうより、勉強と関係のない会話がある方が、子どもも親と話しやすくなるよ。

そっか……。『勉強させなきゃ』って焦るのをやめて、休日はポココがしっかり休めるように接してみようかな。いっぱい雑談して、信頼関係を作っていくことが、結果的に勉強に向かいやすい環境を作ることにもつながるんだね!

少し気持ちが落ち着いたら、『さすがにちょっとくらい宿題やるか』って思えることもあるかも!

休息は大切ですが、休日の生活リズムを完全に崩してよいという意味ではありません。

たとえば、

  • 昼夜逆転しない
  • 食事や入浴の時間を大きく崩さない
  • 翌日の学校に影響するほど夜更かししない

といった生活の土台は整えておきましょう。

また、「十分休んだあとも毎週まったく動けない」「強い疲れが長く続いている」場合には、単に勉強の問題として片づけず、睡眠や学校生活なども含めて様子を見ることが大切です。

今日からできること

休日に勉強しない中学生への対応で大切なのは、「すぐ勉強させること」ではなく、まず勉強を始められる状態を整えることです。

今度の休日は、この3つだけ試してみてください。

① 起きてすぐ「今日は勉強するの?」と聞かない
まずは朝食や雑談から始めます。

② 「疲れてる?」と一度聞いてみる
子どもの状態を確認してから予定を考えます。

③ 勉強以外の話を1つする
部活、動画、ゲーム、食べ物。何でもOKです。

まずは「勉強させる」ではなく、勉強に向かえる状態を作ることから始めてみましょう。

「勉強しなさい」と言わずに、どうやって勉強を始めてもらう?

でもドスター、しっかり休んで子どもにエネルギーが溜まったとして、その後どうやって家庭学習へうまく誘導すればいいの?結局『そろそろ勉強しなさい』って言っちゃいそう……。

そこが次のポイントだね。実は、子どもに勉強してほしいときは、いきなり『勉強しなさい』と指示するより、始めるハードルを下げる声かけが大切なんだ。

たとえば、いきなり「1時間勉強しよう」ではなく、『ワーク1ページだけ』のように小さく区切ること。さらに、子ども自身が『いつやるか』を選べるようにすると、動き出しやすくなることもあります。

それなら『今すぐ勉強しろ!』よりは、だいぶマシかも。

次回の記事で、行動心理学の『プレマックの原理』や、行動経済学の『ナッジ』の考え方を使って、
「ゲームの前にワーク1ページ」
「夕飯前とお風呂後、どっちにする?」

といった、家庭ですぐ使える声かけをご紹介します。

それ知りたい!『勉強しなさい』以外の言い方が増えれば、少しイライラしなくて済むかも。

まずは今回、休むことを認める・勉強以外の会話をするところから。次回は、その次の一歩として、勉強を始めやすくする声かけを一緒に見ていこう!

→休日に勉強しない子をどう動かす?自分から始めやすくなる声かけ〈後編〉へ続く…


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FAQ

中学生が休日にずっとだらだらしているのは、怠けているからですか?

必ずしも怠けているとは限りません。中学生を含む10代は、計画や優先順位づけなどに関わる前頭前野がまだ発達途中です。また、学校や部活動、塾などによる疲れが休日に出ている場合もあります。まずは生活リズムや疲れ具合を確認してみましょう。

休日に中学生が勉強しないときは、放っておいてもいいですか?

完全に放置する必要はありませんが、休日の最初から勉強を強く求める必要もありません。まず休息をとり、子どもの状態を見ながら勉強に向かえそうなタイミングを探してみましょう。昼夜逆転や極端な夜更かしを避けるなど、生活リズムを整えることも大切です。

「勉強しなさい」と言わずに勉強してもらうにはどうすればいいですか?

まずは「ワーク1ページだけ」など、始めるハードルを小さくする方法があります。また、「夕飯前とお風呂の後ならどちらにする?」のように、子ども自身がタイミングを選べる声かけも一つの方法です。詳しい方法は後編で紹介します。

中学生には休日も8〜10時間の睡眠が必要ですか?

13〜18歳では、一般に1日8〜10時間程度の睡眠が推奨されています。休日だけ大幅に寝る時間や起きる時間をずらすよりも、平日も含めて安定した睡眠時間を確保することが大切です。

中学生との会話が「宿題やった?」ばかりになっています。どうすればいいですか?

勉強とは関係のない雑談を増やしてみましょう。部活、動画、ゲーム、食べ物など、子どもが話しやすいテーマで構いません。勉強以外の会話があることで、親子で話しやすい関係を作るきっかけになります。


■ 研究・調査出典 

・National Institute of Mental Health, The Teen Brain: 7 Things to Know
・Centers for Disease Control and Prevention, About Sleep
・American Academy of Sleep Medicine / American Academy of Pediatrics, adolescent sleep recommendations
・Ainsworth et al. (1978), Patterns of Attachment
・Frances E. Jensen, The Teenage Brain

記事監修者

記事監修者

上沼 真也

5,000名以上の中学生を指導した経験から、デジタルとアナログを掛け合わせた「自宅学習の最適解」を提唱。

ICT教育の専門家として中学生の学習の悩みに寄り添い、最短ルートで目標達成を支援する知見を発信します。